
病気にはワクチンで予防できるものと出来ないものがありますが、肺炎球菌感染症はワクチンで予防が可能な病気(VPD=Vaccine Preventable Disease)のひとつです。
小児の肺炎球菌感染症を予防する「7価結合型小児用肺炎球菌ワクチン(PCV7)」はすでに世界28カ国(2008年10月現在)で定期接種として使用されており、それらの国の多くでは肺炎球菌による髄膜炎や菌血症が90%近く減ったことや小児肺炎の入院患者が30%以上も減ったことなどが報告されています。日本でも近い将来、海外で販売されている結合型小児用ワクチンが使えるようになる予定です。
現在地球上にある唯一の小児用肺炎球菌ワクチンは、残念ながら一度に91種類すべての肺炎球菌感染症の予防をすることはできません。ワクチンの有効成分である抗体は血清型ごとに異なるからです。「7価小児用肺炎球菌ワクチン」という言葉は、91種類中7種類の肺炎球菌による病気を防げるという意味です。
この7種類の血清型は、アメリカの疫学データに基づき、髄膜炎や菌血症を頻繁に引き起こすものを含むようにと選ばれました。ニューモネット・ジャパン(肺炎球菌疫学プロジェクト)の目的の一つは、日本で流行している肺炎球菌の型を調べることで、海外のデータに基づいて作られ、使用されている小児用結合型肺炎球菌ワクチンを我が国に導入した場合の有用性を知ることです。
WHO(世界保健機構)も2007年3月「結合型小児用肺炎球菌ワクチンの有用性を検討し、定期接種に優先的に取り入れましょう」という声明を発表しています。また7価に続いて、10価、13価といったより多くの型の肺炎球菌感染症を予防するワクチンの開発が国内外で進められています。


